2006年度に放映されたTVアニメ「イノセント・ヴィーナス」オリジナルサウンドトラック。 曲数も曲種も豊富で、飽きることなく一枚を聞き込んでしまう。 それでもそれら楽曲が示す世界は雑多なものではなく、極めて純粋な結晶のように、切なくしかし美しい世界だ。 テクノ的な素材がとても印象的な楽曲が多いが、1曲目のようなピアノや弦楽器なども加えて構成された楽曲が スパイスのように効いていて、アルバム全体にアクセントを加えている。 それでいながらそれらは違和感なく融け込んでいて、アルバムが表現する方向性、 「イノセント・ヴィーナス」という作品の世界観を乱すことなく、一層豊かなそして明確なものにしている。 「イノセント・ヴィーナス」は音楽が印象的な作品であった。そう言った意味でもこのアルバムは、 聞くだけで作品全体を振り返ることの出来るサウンドトラックとして完成された、素晴らしい一枚である。 もちろんそれだけではなく、「純粋に」美しい音楽を楽しむ一枚としてもお薦めしたい。