专辑简介

町田康とシアターブルックの佐藤タイジが強力ユニットを結成。町田の言葉とヴォイス、佐藤のメロディとギターとが見事に融合した、今の時代を懸命に生きる人たちに贈るメッセージ・ソングだ。——「CDジャーナル」データベース

芥川賞作家であり、萩原朔太郎受賞の詩人でもある、パンク・シンガーの町田康とシアターブルックのギタリスト、佐藤タイジによるユニット。もともと、二人は“ミラクルヤング”を結成し、2001年のFUJI ROCK FESTIVALにも出演しているが、それとは別に言葉とメロディによるシンプルな音楽を目指したのが、このユニットだ。作詞は町田康、作曲を佐藤タイジが担当している。ある意味で町田の描く詞は、個人の深層へ沈み込む内容で、はじけた今風の元気ソングでは決してない。弾けるよりは砕くというアンチなメッセージ性が色濃い。が、70年代のメッセージ・ソングとは異なり、行き場のない閉塞感が漂う。それが“今”の象徴であり、現実感を漂わせるリアリズムでもあるかのようだ。その歌詞に佐藤のアコースティック・ギターがメロディアスに響きを重ねると、なぜかうら悲しくなってくる。どこか、あがた森魚の世界に引き込まれた時の懐かしさを覚えつつ、今をまた思い知らされる作品。 (小林泰介) --- 2002年09月号「CDジャーナル・レビュー」