ノートリアス・ビスケットは日本人プロデューサーDJ、スーパーコージーが２００９年にコンパイルを手がけたテクノとディープハウスのコンピレーションだ。東京、イビザ、バリ島、アテネ、ベルリン、ニューヨークなどで活動していたプロデューサー陣が手がけた９曲を収録している。 オープニングのWhat Color, Music is Musicをプロデュースした日本人プロデューサーWataは現在では独自の世界観を展開するテクノ・プロデューサーとして世界的なリスペクトを獲得し、精力的なツアーを行なっているWata Igarashi。まだ駆け出しの時代ならではの荒削りなパワーの中に、すでに研ぎ澄まされたオリジナリティとサイケデリックで意外性のある展開が光る２曲で、現在聞いても全く色褪せない魅力を放っている。彼とスーパーコージーの出会いは、彼女がコンピ用のトラックを探していた２００８年ごろで、当時彼女が住んでいたバリ島セミニャックの自宅スタジオに訪ねてきた時だったという。サイケデリックの定義とは特定したジャンルに収まることではないという意見で意気投合し、コンピ用の曲を依頼。ワタが日本へ帰国後、仕上げた曲を聞いた彼女はパワフルで斬新な音世界に驚愕。シーンではまだ知名度の低かった彼を迷わずオープニング・アーティストに選んだ。 コンピにはその他、日本のサイケデリック・トランス・シーンのパイオニアの一人として現在もリスペクトを集める日本女性プロデューサーRee.Kや、スリンキー・ウイザードなどUKサイケデリック・トランス界のパイオニアの一人で、スーパーコージーの前夫だったガス・ティル、フランスの人気グループTotal Eclipseのメンバーだったサージ　セルジオなどによるディープでドライブ感溢れるトラックを収録している。