Raizes

Raizes

  • 流派:Pop 流行
  • 语种:日语
  • 发行时间:2020-09-09
  • 类型:录音室专辑

简介

Raizes(Roots)/廣木光一 カナさんと初めて会ったのは1992年頃、市川駅の近くにあった”りぶる”というライブハウスだった。マスター(故人)は、痩身も多識の鉄人、懐深く、お客さんとミュージシャンをこよなく大切にした。私がワークショップを続けられたのもこの店があったからだ。そのころカナさんも店に出入りするようになった。ブラジル音楽が好きだとElis Reginaをもの凄い勢いで聴き込んでいた。カナさんもワークショップに参加した。最初から自分の歌いたい曲を自ら採譜、タイミングが複雑なサンバやボサノバのメロディを上手く簡略化して演奏者が判り易いように記譜、コードの間違いも無かった。私は迷い無くバンドに誘い、全国を旅した。このころ ーあの名曲ー は未だ誕生していなかったが、その歌声はしっかりと聴衆に届いた。日本各地を回ってカナさんが新たに抱いた目標は「ネイティブ」になることだった。95年、単身伝もなくブラジルに渡った。 レストランで働きながら、言葉と文化を学び、不撓不屈、孤独に耐えた。ここは地球の反対側だ。あるとき、私はカナさんに手紙を書いた。「お元気ですか」、日本語を欲していたカナさんは大層喜んだ。が、私には記憶が無い。今となればそれも笑い話になる。そんな生活の中から生まれたのが、不朽の名作「帰ろうかな」だ。両親への感謝、故郷への想いを謳ったそれは、本当に自分を追い込んだ人間にしか創り得ない作品となった。 ブラジルにちょっと馴染んだ頃、レオ・ノゲイラ氏と出会った。レオさんは、優れた作詞家であり、穏やかで心優しいブラジル人。カナさんの曲は元より、私の曲にもたくさん詞を書いてくれている。本も上梓されている作家でもある。作曲を能くするカナさんにとって最高のパートナーとなり、これまで多くの作品を二人で創り出している。 もはやブラジル語(ポルトガル語)はネイティブどころか、凄い速さで夫婦ゲンカもする。「カニンデ(カナ作曲/レオ作詞)」にもあるように、ブラジル人でも歌えないのではないかと思わせるスピード感を見せる。「リズムは言語」の言葉通り、発音を究め強力なグルーブも発する。南米各国やヨーロッパもよく旅をした二人。ブラジルを越え、興味の矛先は世界へと拡がっている。 在ブラジルの間、一人で、時には二人で、ご両親の元に帰国した。このアルバムは、そのチャンスの度にツアーをし、ライブ録音したものだ。なにか……録っておきたかったのだ。録っておいて良かった。 もうすっかりサンパウロの町に溶け込んでいたカナさんだが、22年ぶりに拠点を日本に移した、もちろん二人で。今度はレオさんが地球の反対側だ。日本で畑に駆け出し、ブラジルの大地で芽吹き根下ろし、そしていま日本で大輪の花を咲かす。当にグローバルなアイデンティティを持つ二人。カラフルでエネルギッシュな音楽が聴こえてくる。 2020.7.14

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