このレビューの引用元: Sleeping Beauty (CD) 実に美しい楽曲である。 まずギター1本で始まるイントロのアルペジオが、V-ROCKでは殆ど 聴くことができないフレーズで、非常に期待をそそる。雪が静かに 降り積もる森を想起させ、歌詞が示すとおりのドラマ性と、抜群の ロマンティシズムが音となって、まさに儚い雪の結晶の如くキラキラ 降り注いできた。リアルに情景が目に浮かび、心で反響する曲である。 明快を旨とするシングルに、こういったミッド・テンポの優しい曲 （情感は激しく熱いけど）を持ってくるあたり、彼らの自信とバンド のアティテュードを強く感じる。シンプルな構成ながら、これほど ドラマティックに聴こえるのも、バンドそのもの、ひいてはボーカルの 力量による所も非常に大きい。脱帽。 カップリングは彼ら特有のプログレッシブで怪しげな曲。タイトル トラックとの対比が面白い。守備範囲が他のバンドとは明らかに違う！ 反論を承知で、敢えて、強いて言うなれば、ミッド・テンポの帝王（笑） ラクリマ・クリスティが示した、マニアック路線の正統後継者かと。 確固たる実力あってこそ、この道に行ける選ばれた存在であると思う次第。 いやしかし、よい睡眠薬を得たものだ。 （By METALOYAZY）